電力自由化が一般家庭に解放されてはや2年。
我が家ではどこに変えようかさんざん悩み、1年分の電力検針票とにらめっこしながら最終的に「あしたでんき」に変更することにしました。
目次
「あしたでんき」って何ぞ?
「あしたでんき」運営会社の基本情報
運営会社:TRENDE株式会社
所在地:東京都千代田区東神田1-16-7 東神田プラザビル2F
設立:2017年8月
資本金:411,062,350円
「あしたでんき」という会社はあまり聞き慣れないかもしれません。
それもそのはず、参入時期で言うと2018年の3月ですので電力小売会社としては後発です。
しかしそのバックボーンは意外にも(?)しっかりしており、なんと東京電力ホールディングスのグループ会社です。
正確には東京電力ベンチャーズ㈱の子会社で、昭和シェルなども株主に名を連ねています。
お金ってあるところにはあるんですねぇ。
「あしたでんき」の料金体系
気になる料金体系ですが、ここの売りはなんと言っても「一律料金」「基本料金0円」というところでしょう。
例えば東京電力の料金体系(従量電灯B)は契約ごとに基本料金があり、その上使用料が増えると単価が上がるという仕組みになっています。
一方の「あしたでんき」は、使用量にかかわらず1kwhあたり25.5円という非常にシンプルな料金体系です。
あしたでんき | 東京電力 | |
0~120kwh | 25.5円/kwh | 19.52円/kwh |
120~300kwh | 26.00円/kwh | |
300kwh~ | 30.02円/kwh |
そしてなんと言っても標準プランであれば基本料金がゼロ円というのが従来の電力会社に対しての強みとなっています。
ちなみに、かなり電力を使う家庭向けのたっぷりプランでは基本料金が3,000円です。
しかし、こちらのプランでお得になるのは月平均約700kwh以上の電力を使う家庭ですので対象となる家庭はそう多くはないでしょう。
ですので本記事ではあまり触れません。
あしたでんき | 東京電力 | |
10A | 0円 | 280.8円 |
15A | 421.2円 | |
20A | 561.6円 | |
30A | 842.4円 | |
40A | 1,123.2円 | |
50A | 1,404.0円 | |
60A | 1,684.8円 |
契約アンペア数にもよりますが、大体300kwh程度使う家庭であれば月々の電気代が安くなります。
尚、燃料費調整と再生エネルギー賦課金については各電力会社の条件は一緒ですので考慮していません。
ちなみに我が家の使用量で試算したところ、月額1,000円強、年間で約13,000円安くなりました。
ちなみに使用量は春秋で300~450kwh、夏冬は500~600kwhくらいです。
あしたでんきのホームページで試算もできますのでぜひやってみてください。
単純に電気代だけであれば「エルピオでんき」だと年間20,000円くらい安くなったんですが、千葉県の地場プロパンガス会社という点と、あまり顧客対応がよろしくないという口コミが散見されたため見送りました。
吉と出るか凶と出るか…。
あしたでんきの契約について
基本的には1年契約の自動更新です。
特に解約の意志がなければ自動的に契約は1年間延長されます。
しかし、解約時には特に解約金などは発生しないため、合わないと思えばいつでも解約が可能です。
新電力会社の中には、携帯電話の契約のように○年縛りが設けられているところもありますので、この契約形態には個人的に好感が持てます。
また、他のサービスをセットで利用することで優遇されるといったこともなく、単純に電気だけのサービスと考えて差し支えありません。
また、申し込んでから実際に切り替わるまではタイムラグがあります。
我が家では1月下旬に申し込んで、切り替えが3月初旬ということでしたので、場所や時期などによって差があるとは思いますが、概ね1ヶ月半くらいのラグが生まれるようです。
切り替えまでは普通に旧会社の契約が続きます。
「Looopでんき」を強烈にライバル視している?
ここまで読み進めてみると、陸マイラーの方はあることに気づいたかもしれません。
同じくポイントサイト経由で還元を受けられる「Looopでんき」の料金体系とよく似ています。
Looopでんきは以前、ハピタスなどで3,000円くらいの還元があったので覚えている方も多いかもしれません。
見た感じあしたでんきはLooopでんきを強烈に意識しているようで、Looopでんきの価格の下をくぐった料金体系にしてきたと思える仕上がりになっています。
あしたでんき | 25.5円/kwh |
Looopでんき | 26.0円/kwh |
※東京電力エリアの場合。
つまり、Looopでんきをセット割引なども適用せず単独で契約している人は、あしたでんきに乗り換えると電気代が必ず多少安くなるということになります。
以前にポイントサイト経由でLooopでんきを契約した人が、これからあしたでんきに乗り換えて二重取りすることも可能といえば可能です。
あしたでんきに向いている人向いていない人。
さて、旧来の電力会社と比べた場合の話に戻ります。
例えば東京電力から乗り換える場合、基本料金がなくなることで電気代が安くなりやすいのは確かなんですが、必ずしも安くならない、あるいは逆に高くなる人も存在します。
ですのであしたでんきに乗り換えるのに適している人いない人を簡単にまとめてみました。
そもそもあした電気の契約ができない人。
向き不向きの前に、そもそも契約ができない人もいます。
以下に当てはまった場合は残念ながらあしたでんきの契約はできません。
- 北海道・北陸・四国・沖縄・離島住まいの方。
あしたでんきは、現段階では北海道電力・北陸電力・四国電力・沖縄電力の受電地域をカバーできていません。
今後対象地域を増やす予定とのことですが、以上の地域にお住まいの方は別の電力会社を選択する他ありません。
- お住まいの集合住宅で一括受電している方。
マンションなどにお住まいの場合、入居者個人ではなくマンション単位での契約をして単価を下げていることがあります。
その場合、入居者が個別に契約形態を変えることができません。
ご自身がそれに当てはまるかどうかを確認するためには、検針票の契約者名義を確認してください。
契約者がご自身となっていれば乗り換えは可能です。
マンション名義や他の人の名義になっている場合は、あしたでんきに限らず全ての新電力への乗り換えができませんのでご注意くださいね。
- クレジットカードを持っていない方
東京電力のグループ会社ではありますが、銀行口座振替などのサービスはなく、全てクレジットカードでの支払いとなっています。
クレジットカードを持っていない、または使いたくない、という方は残念ながら口座振替を行っている電力会社で契約するしかありません。
あしたでんきに向いている人、得する人
- 概ね月に300kwh以上の電力を使用している方
あまり電気を使わない5・6月や10・11月に大体300kwhほど使うご家庭であれば損することはありません。
シミュレーションで安くなるかどうかを確認しておくといいと思います。
- 他の物とのセットに興味のない方。
上述した通り、あしたでんきは他の何らかのサービスとの提携やセットの優遇などは一切なく、その分電気代だけを安くするという方針で運営しています。
他のサービスとの兼ね合いを考えるのが面倒という方は、電気オンリーのあしたでんきに向いていると言っていいでしょう。
私はセット割引の名の下にゴリゴリ囲い込まれるのは嫌いな方なので、あしたでんきの一点突破方針は気に入っています。
これはもう好みの問題ですね。
あしたでんきに向いていない人、逆に損する人
- 契約アンペアが低く(10~20A程度)電気をそれほど使わない方。
従来の電力会社には基本料金があるとはいえ、契約アンペアが低い場合の基本料金はそれほど高くありません。
例えば東京電力だと10Aの基本料金は約280円です。
第1段階の料金はあしたでんきよりも約6円安くなっているため、10A契約で120kwhくらいの使用量であれば逆に月額で800円ほど高くついてしまいます。
一人暮らしの方などは東京電力のほうが安く上がる場合も多いので、やはりシミュレーションで確認しておいたほうがいいでしょう。
- 電気のトラブルがよく起こる人。
我が家では今まで電力会社の人を呼ばないと解決しないようなトラブルは起こったことはありませんが、中にはこういった人はいるかも知れません。
あしたでんきにはトラブルに関するサポートはなく、有償で東京電力のスタッフを呼ぶことになります。
料金体系のよく似たLooopでんきでは「かけつけるーぷ」という、出張費と60分までの作業費を無料にする付帯サービスを行っているので、トラブルがあったときには重宝するでしょう。
電気系統のトラブルが不安な方はLooopでんきを利用したほうが安心かもしれませんね。
- 電気以外のセット割引などを重視する方。
例えばLooopでんきであれば、ソーラーパネルで発電した電気をLooopでんきに売る契約をすると、最大で2円/kwh安くなったりします。
他にもENEOSでんきではガソリンの値引があったり、東京ガスであればセット契約での割引があります。
このように、「電気と何か合わせてよりお得に」というのを求める方は、電気一本で勝負しているあしたでんきには不向きと言えるでしょう。
我が家は一つの会社に複数のインフラで囲い込まれるのを良しとしないので、電気は電気で安いほうがありがたいですが、この辺は個々人での好みの問題だと思いますのでご自身のスタイルに合ったものを選択するといいでしょう。
ただ公式から契約するよりポイントサイト経由で少しお得に。
Looopでんきもそうでしたが、あしたでんきについてもポイントサイト経由での契約でお得に契約することが可能です。

「現金で還元を受け取りたい!」という方は2019年2月1日現在で「えんためねっと」が1,725円ですね。
※2019年10月24日現在、他サイトが還元率で上回っています。
マイルにする場合だとポイントミュージアムなどのシステムエッジ系のポイントサイトが1,610円の還元ですが、私は個人的にシステムエッジ系のポイントサイトは敬遠しているため、次点の「GetMoney!」を経由してあしたでんきの登録を行いました。
GetMoney!だと還元は13,000ポイント(1,300円分)です。
この記事では「えんためねっと」と「GetMoney!」が上位となっていますが、時期によって還元額の順位は変動します。
2019年10月24日現在だとハピタスが2,500円と、1,000円台の他サイトより頭一つ抜けています。
時期によって還元額や順位は変動しますので、各サイトを比較してみることをお勧めします。
下記についてはGetMoney!で話を進めていますのでご注意下さい。
「GetMoney!」は老舗で真面目な経営を続けているサイトですので個人的にはかなりおすすめです。
ただ、初めて登録する方の注意点が一つあります。
GetMoney!で貯めたポイントを初めて交換する際には全額を銀行振込で現金に交換しなくてはいけないという点です。
2回目以降は他社ポイントなどに交換することができます。
今回の場合だと、あしたでんきを契約した際にもらえるポイントをマイルや他社ポイントなどに交換したい場合、あしたでんきのポイントを獲得する前にあらかじめ5,000ポイント(500円分)を貯めておいて現金交換を済ませておく必要があります。
初回現金化を済ませないままGetMoney!のポイントを貯め込んでしまうと、マイルに交換したいと思っていても全額現金化するしか選択肢がありませんのでくれぐれもご注意ください。
これを防ぐためには、なるべく500円分に近いところで初回交換を行う必要があります。
早めに済ませてしまいたいのであれば、「TSUTAYA DISCAS」あたりの動画サービスの会員登録を行うのがおすすめです。

TSUTAYA DISCASだと4,500ポイントですので、残りの500ポイントは迅速にポイントが貰える小口の会員登録案件などで埋めて初回交換を済ませてしまうのがいいでしょう。
GetMoney!の左サイドバーからカテゴリを選んでクリックするといろいろ出てきますよ。
継続しないのであれば解約を忘れないようにしましょうね。
「あしたでんき」をポイントサイト契約でお得にするまとめ。
- あしたでんきは毎月300kwhくらい使う家庭だと電気代が安くなる。
- 逆に一人暮らしなど使用電力の少ない家庭は高くなる場合もあり。
- 基本料0円、単価25.5円のシンプルな料金体系(東京電力の場合)。
- 北海道、四国、北陸、沖縄はまだサービス外なので注意。
- マンションなどで一括契約しているところは新電力への乗り換え自体が不可能。
- 支払いはクレジットカードのみ。
- 電気周りのトラブルは別途有償(無料化のサービスはなし)。
- 申込みはポイントサイト経由で還元あり。
現金派はえんためねっと、マイル派はGetMoney!がおすすめ。- ↑時期によって条件や順位は変動するので注意。
- 2019年10月24日現在はハピタスが2,500円と秀逸。
- GetMoney!の初回交換は全額現金なので注意が必要。
- GetMoney!利用時は、あしたでんき申し込み前またはあしたでんきのポイント付与前に現金化を済ませておくと現金縛りは消える。
- GetMoney!利用時はポイント付与の速い動画サービスの登録などで5,000ポイント以上貯めて1度現金に交換してしまうのがおすすめ。
電気は生活に欠かせないインフラにもかかわらず、自らの手で大幅に料金を下げる機会はほぼ存在しません。
節電も微々たるものですしね。
新電力への乗り換えは本人の選択で電気料金を大幅に節約できる唯一の手段と言ってもいいでしょう。
そして乗り換えて半年が経過しましたが、特にトラブルもなく電気の使い勝手も全く変わりません。
むしろアンペア数を上げても基本料金が変わらないので、アンペア数を積極的に増やしてブレーカー落ちを回避することもノーコストで可能になるなどメリットのほうが大きいです。
迷ってないでさっさと乗り換えればよかった…。
まずは現在の電力会社の検針票を探して、お得になるかどうかのシミュレーションをおすすめしますよ。
ポイントサイト経由でお得に契約するのもお忘れなく!
ではまた!
マイルへの交換ルートは75%が最高交換率です。
ルートの詳細はこちらの記事をご参照ください。

