皆様、ご家庭の財務を管理する家計簿はつけていますか?
つけておられる方はキャッシュフロー家計簿ですか?
それとも複式簿記でつけていますか?
今回の記事は家計簿を複式で記帳している人向けの(と言うかそんな人に聞きたい)お話です。
漢は黙って複式簿記
家計簿を複式簿記でつけ、資産負債と経費利益で記帳しているのですが
陸マイル活動で得たポイントとかそれをマイルにしたり消費したときの処理は
皆さんどうされているのかと疑問に思ったわけです。
最近陸マイラーとして活動を初めて、その決済を記帳する機会が出始めたわけです。
いやそもそも複式で家計簿つけてる人がそんな多くないでしょうし
その中で陸マイラーとかいるの?っていうレベルでしょうかね。
でも単式で家計簿つけるくらいなら銀行残高追っかけるだけでいいでしょうし
資産へのお金の流れとかもある程度抑えておかないと老後が心配ですし
この記事は複式簿記前提で突っ込んでいきますよ!
勘定科目名についてはわかればなんでもいいスタンスなので突っ込まないでくださいね。
こんな仕訳はどうでしょう
陸マイル活動の仕訳としてまず考えられるのが、
何もしない
これが一番楽は楽です。
そもそもマイルなりポイントなりというのは通常の経済活動のオマケであり、
わざわざ仕訳を切るという事自体がナンセンス、という考え方ですね。
これはこれで筋は通っていると思います。貯めたマイルは特典航空券で消費する人はこれがいいと思います。
経済活動のオマケでマイルを貯め、そのオマケで旅行を楽しむわけですからね。
しかし私の場合は(私が特殊なだけなんですが)、マイルの消費目的が帰省という年中行事への補填なんですな。
そうなると何もしなければ旅費交通費で経費となるはずの飛行機代を、
どの程度圧縮したかの実績が記帳されるべきではないかという考えです。
マイル積立勘定で資産計上
外食モニター案件で50%還元、支払金額が6,000円と仮定すると、
ポイント獲得時:
借方 | 貸方 | ||
外食費 | 3,000 | 未払費用(クレカ) | 6,000 |
マイル積立金 | 3,000 |
中継ポイント・マイルへ交換時: 仕訳なし
↑これを仕訳切っていたらキリがないので何もしません。SKYコインも同様です。
あくまでも家計簿であって法人の確定申告ではないので…。
15,000円の航空券代に上記で得たポイントをSKYコインで充当し、残額5,500円はカード払い
マイル消費時:
借方 | 貸方 | ||
旅費交通費 | 10,000 | マイル積立金 | 3,000 |
雑収入 | 1,500 | ||
未払費用(クレカ) | 5,500 |
※ポイント交換レート等による価値変動については無視しています。
概念的な話と思ってざっくりでお願いします。ざっくりで。
なかなか良さそうです。
というか本来は資産計上するのが筋でしょうからまっとうな処理といえます。
資産計上の問題点
ただこれは家計簿ならではの(心理的な?)問題点が。
外食とかで消費活動としてお金が出て行っているのを資産勘定としてしまっていいのか?
個人年金などの積立とかと同じカテゴリでくくっていいのか?
という問題です。
いや実際簿記の考え方としてははそれでいいはずなんですが、
「費用勘定を圧縮することで生活費の支出を把握しにくくしていないか?」
という家計簿ならではの事情が絡んでくる(気がする)のです。
家計簿の目的は税額を算出することでも財務諸表を銀行に提出することでもなく
家計の浪費を少なくして将来の資産計画をたてることですのでこの辺は理解を得られるのではと思います。
得られます…よね?
マイル取得費として費用計上
上記と同条件で仕訳するとして、
ポイント獲得時:
借方 | 貸方 | ||
外食費 | 3,000 | 未払費用(クレカ) | 6,000 |
マイル取得費 | 3,000 |
マイル消費時:
借方 | 貸方 | ||
旅費交通費 | 10,000 | マイル取得費 | 3,000 |
雑収入 | 1,500 | ||
未払費用(クレカ) | 5,500 |
これはこれでアリな感じもします。
マイルを使う度に費用勘定が貸方にきてしまうのは見栄えが良くないですが
出ていったお金を費用として認識しているので家計簿としては(正しくはないですが)いいかと。
費用計上の問題点
ただこれも一つ問題が。
費用勘定なので期をまたぐとマイル取得費が消えてしまうんですな。
家計簿とは言え複式簿記であれば年ごとに区切りを設けるのが普通だと思います。
前年に貯めたマイルを期をまたいで使うとマイル取得費がマイナスになるという残念なことになります。
なので私は次のやり方を苦肉の策として採用しています。
マイル取得費を計上し、期末に資産に振り替える
ポイント獲得時:
借方 | 貸方 | ||
外食費 | 3,000 | 未払費用(クレカ) | 6,000 |
マイル取得費 | 3,000 |
期末:
借方 | 貸方 | ||
マイル積立金 | 3,000 | マイル取得費 | 3,000 |
マイル消費時:
借方 | 貸方 | ||
旅費交通費 | 10,000 | マイル積立金 | 3,000 |
雑収入 | 1,500 | ||
未払費用(クレカ) | 5,500 |
※期中の消費で積立が0になったらそれ以降は (貸方)マイル取得費 で計上していきます。
消費時に適宜雑収入を計上すれば取得費までマイナスにはならないはずです。
(按分とかめんどくさそうですね。)
これで何とか期中では費用としてある程度把握できますし、
翌期にチャラになってわけがわからなくなることもありません。
アバウトな数字ではありますが、ある程度マイル活動の実績も家計簿上に残せます。
何度もいいますが簿記的には全然正しくありません。
続けていくうちに歪みはガンガン出てくると思います。
まさに苦肉の策です。
家計簿をつけているおっさんも多くはないでしょうが
家計簿を複式簿記でつけているひとなんてもっと少数派でしょうし
「何言ってだコイツ」という感想を持つ人がほとんどでしょうが、
何かいいやりかたはないかもう少し模索してみます。
ではまた!