皆様、東京都の都心も都心、大手町に謎の牧場が存在していることをご存知でしょうか?
この度その牧場に潜入することに成功しましたのでその中身についてまとめてみました。
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目次
大手町牧場を訪れるに至った経緯
我が家には1才児が一人おりまして、平日は保育園ではしゃぎまわっているため問題ないのですが、休日はどこかで発散させないと夜に全く寝なくなるという大きな問題を抱えております。
家の中で発散させるにはウサギ小屋以下の我が家では狭すぎるので外に連れ出す必要がります。
夏場は不用意に公園で長時間遊ばせてしまうと親子共々熱中症で倒れてしまいますので、低コストかつそこそこ涼しい場所を日夜追い求めている次第でございます。
電車で豊洲ららぽーとやら葛西臨海公園やら毎度毎度遠出するのは経済的にもそうですが、何といっても基本出不精でインドア派自宅閥の私には長距離移動はしんどいのであります。
そんな我が家ですが、妻はしっかりとママ友ネットワークを持っていて、その辺の情報を集めては友達のいない私には考えもつかない遊び場所を提案してくれるんですね。
それで今回妻が持ってきたのが掲題の「大手町牧場」といわけでございますよ。
私は根室の出身ですので牧場なんざ珍しくもありません。
自分にとってはわざわざ休日に遊びに行くようなところでもないとは思えど、我が子にとっては貴重な体験となるかもしれません。
帰省時にもわざわざ牧場なんて行かないですからね。
というわけで妻の口車に乗って大手町へ向かうことになった次第でございます。
大手町牧場について
大手町牧場の基本情報
住所:千代田区大手町2-6-2 JOB HUB SQUARE 13階
経営母体:パソナグループ
開設時間:平日 12:00~18:00
土曜日 12:00~17:00
日曜・祝日は休館
入場料:通常見学は無料、体験講座は1人あたり1,000円程度
アクセス:東京メトロ大手町駅 B8a出口
東京メトロ 日本橋駅 A1出口
東京メトロ 三越前駅 B2出口
JR東京駅 日本橋口
パソナが経営する牧場で、酪農分野での人材育成を目的とした施設のようです。
わざわざ大手町のような酪農から一番かけ離れたビルの1フロアに牧場を作るというのはそれほど本気なのか、はたまたヤケクソなのか判断に困るところですね。
アクセスについては、距離的にはもちろん大手町が一番近いのですが、B8a出口は大手町駅の中でもかなりマイナーな出口で、何線で到着したとしても、都内有数の複雑怪奇なダンジョンである大手町駅をふんだんに歩かされることになりますので、もしかしたら日本橋駅や東京駅から地上に出て歩いたほうがスムーズに到着できるかもしれません。
私は大手町から行きましたが、妻の案内がなければおそらくたどり着くことは不可能だったと思います。
何せ初見殺しに定評のある大手町駅ですのでこれは仕方がありません。
大手町牧場見学時の注意点
この牧場は誰でも気軽に入れるという牧場ではないようです。
まあ通常牧場なんて私有地ですから当たり前といえば当たり前なんですが、大手町牧場の見学については以下の要件を満たす必要があります。
※パソナグループ社員やスタッフ、クライアント企業の方のほか、各種セミナーや講座にご参加される方はご案内をさせていただくことが可能です。
我が家では特にセミナーや講座を受けたりはなく、ただ勝手にウロウロして見ていただけでした。
妻も私も別にパソナグループの人間ではありませんので、おそらく妻の会社がクライアント企業という扱いで予約を入れたんだと思います。
私の会社と違ってそれなりに大きな会社ですのでパソナとのつながりはあってもおかしくありませんので、細いながらもツテがあり見学が可能になったんだと思います。
特にパソナと関係のない方が確実に中に入るには、アイスクリーム作り体験などに申し込んだ方が無難だと思います。
ビルの1階に牧場の宣伝ノボリ的なものがありましたので、飛び込みで見学できる可能性もあるかもしれませんが一切の保証は致しかねますのでご了承下さい。
我が家の場合は、妻が事前に予約を入れ、当日にビル1階にある受付で名前を書いてゲスト用の入館証を借りて13階に上がりました。
入館証無しで黙って13階に上がると怒られると思いますのでご注意下さい。
※2018年12月追記
現在は大手町牧場の公式ページより予約することで通常見学が可能になっています。
2日前までの予約が可能なようなのでご興味のある方は予約ページよりお申し込みください。
実際の大手町牧場潜入レポート
大手町牧場の佇まい
入口はどう見ても普通のビルテナントです。
牧場らしさは微塵も感じられませんね。
中に入ると向かって左側が動物たちのエリアになっています。
牧場にも関わらず床は何かシートみたいなものが敷いてあって草はありません。
見学者は柵を越えて動物エリアに入ることはできず、柵の外側から動物たちを見つつ柵に寄ってきた動物に軽く触れ合う程度です。
まあ見学者が動物エリアにドカドカ入っていくのは牧場側としても困るでしょうしこれはやむを得ないかと思います。
あとビルの窓が全て動物エリア側にあるため、見学者が動物の写真を撮ろうとするともれなく逆光になってしまうのはちょっと困りますね。
場内に入ると、懐かしいというか何というか、しっかりと牧場の匂いはします。
数日前に風邪を引いたばかりで病み上がりの私はその匂いもありすごい勢いでむせ返ってしまいました。
牧場慣れしてない人だと思われてたら嫌だなあ…。
フロアの柱には注意事項などが掲示されています。
「ヤギは噛むから気をつけて」
「動物には優しく触って」
の2点です。
噛まれて文句言った人とかやたら雑に触る人がいたんでしょうね。
牧場にしろ動物園にしろ動物を舐めてかかるのは良くないことです。
大手町牧場にいる動物たち
私にとって牧場にいる動物は牛(ホルスタイン)がほとんど、たまに馬とかその程度のイメージだったんですが、意外にも大手町牧場には数種類の動物がいます。
まあ動物園と比べると少ないですが、牧場としては種類は多く、
「これ経済動物なの?」
というような動物もいましたのでそれぞれ紹介していきます。
- ヤギ
ホルスタイン柄のヤギが10頭くらいいました。
牧場≒ホルスタイン のイメージを持っていた私はここに入ってこのヤギを見た時に、
と仰天したのですが、よく見たらヤギでした。
ビル内の牧場はそんなに広い敷地はないので、10頭程度の数のヤギでもここでは最大派閥です。
よく見ると大きさや正確にばらつきがあっておそらくヤギ同士での力関係もあったりして見ていると楽しいです。
- 豚
ピンク色で小さめの豚が5~6頭いました。
彼らは体高も低いので、足元の開いている別室の扉をくぐり抜け、おそらく用具や飼料の入っている部屋と動物エリアを自由に行き来できるスキルを持っています。
彼らはほんとに自由に動き回り、後述しますがその自由な行動で飼育員さんを困らせていました。
- 牛(ジャージー)
私にはあまり馴染みのないジャージー種の牛が2頭います。
2頭とも入口寄りの柵のそばでどっしりと座ったままろくに動きません。
結局立ち上がったのは食事時くらいでした。
そんなことでおいしい牛乳を生産できるのか甚だ疑問です。
- アルパカ
逆光がすごいですね。
アルパカを牧場で飼う意味がわからず調べてみたら、どうやら毛を刈って出荷するようですね。
ここのアルパカは1頭しかいないので1頭分の毛を刈って売れるのかどうかは微妙ですがまあ牧場にいてはいけない動物ではなさそうです。
彼はこの牧場一番の暴君です。
豚やヤギの後ろ足に噛み付く悪癖があり、飼育員の方に首根っこを掴まれて、
と、キツイお説教を受けていました。
- フラミンゴ
入って奥に進んでいくと、なぜか鳥コーナーがあり、その一角をフラミンゴコーナーが占めています。
なぜ牧場にフラミンゴがいるのか、経済動物としての用途はぶっちゃけ今でもよくわかっていません。
そして奥の鳥コーナーですが、手前の牛・ヤギ等がいるエリアよりもさらに臭いです。
「これ必要?」という疑問だけが残るフラミンゴコーナーです。
- 烏骨鶏
ニワトリです。
あまり鳴かないので存在感が薄いです。
烏骨鶏は通常の鶏よりも卵を生む個数が少なく希少価値があるんだそうです。
- ミミズク
ここのコーナーは右側にあり、見学者のエリアとはロープ1本で隔ててあるだけです。
ですのでその気になればこのミミズク達は牧場内を縦横無尽に飛び回ることは可能なのですが、彼らは飛ぶどころかろくに動くこともしません。
夜行性なんでしょうかね。
ただ、うちの子供がロープに近づいたときには、我が子の方に体を向き直し、飛ぶ準備体勢に入りました。
飼いならされたミミズクですが、捕食者としての顔を少しだけ垣間見ることができました。が、
うちの子をエサ認識してんじゃねえよ!
という怒りも同時に湧いてきました。
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今回牧場内で遭遇した人間(?)模様
今回見学した際、動物たちの食事を見ることができました。
そのときに巻き起こったドラマについて少し触れます。
仁義なき餌場(シマ)争い
動物たち(牛、豚、ヤギ、アルパカエリア)の食事は基本的に干し草です。
とは言っても、牧草地で放牧しているわけではないのでエサ用の飼料を飼育員が食事時間に運んできます。
それをいくつかのポイントにドサッと置いてそれに動物たちが群がって食べるシステムです。
基本的に動物たちは自分の近くの餌スポットに食べに行くのですが、動物たちの体格などによりけっこうな力関係が見え隠れします。
体格の大きなオスのヤギは、自分の食べている近くに他のヤギや豚が寄ってくると怒って突進して追い払ったり、わざわざエサスポットを移動してそこにいた別のヤギを攻撃して追い払いそこを占有するという攻撃的な一面を覗かせます。
度重なる勝利で気を良くしたのか、そのヤギは調子に乗って自分よりも大きなアルパカに突進していきました。
しかし所詮はヤギなので、二回り以上大きなアルパカに対しては突進も無力で、敢えなくアルパカによる後ろ蹴りを浴びて退散してしまいました。
あと、さすがに牛には敵わないと悟っているのか、牛に攻撃することはなく、飼育員の目を盗んで盗み食いをするのがせいぜいでした。
ちなみに2頭いる牛については個別のエサスポットが割り当てられていたので、食事の時も立ち上がる程度でその場からはほとんど動きませんでした。
大丈夫か!?牛!
仁義なき糞戦争
※食事中の方は閲覧をお控え下さい。
動物たるもの食べたら出さなくてはいけません。
ここにいる動物たちも例外ではなく、野生の動物たちと同様、所構わず排泄を行います。
今回は、この牧場で最大の動物である1頭の牛が食事中に排泄を行いました。
これにより食事中の動物たちは本能丸出しで力あるものが勝つ世紀末へと突入します。
ここは牧草地ではなくシートを敷いていますので、排泄物は飼育員が人力で掃除をしなければいけません。
ヤギは割と頻繁に排泄しますが、ヤギの糞はコロコロしていて掃けば済み、尿もそれほどの量は出ないので、手持ちのスポンジの付いたひみつ道具で吸い取ってモップで軽く拭けば完了です。
しかし牛の排泄となるとそうはいきません。
牛に対しては飼育員4人がかりでの大掃除が始まることになります。
吸い取るひみつ道具を増員し、バケツを新たに用意して糞を片付けます。
その労働量たるやヤギの比ではありません。
4人がかりで10分以上もその作業に費やすことになります。
そうなってくると飼育員は他のことができなくなりますよね。
その間、動物たちは束の間の自由を手に入れることになります。
オスヤギはメスヤギと豚たちを攻撃しまくり、その他のヤギは群れて牛の取り分を盗み食いで食べ尽し、アルパカはメスヤギと豚の脚を思う存分齧りまくるんです。
そして豚達は何をしていたかというと、置いてあるエサをつまみながらもひたすらヤギのあとをついて回っているんですね。
初めは何をやっているかわからなかったのですが、実は豚たちはヤギの糞を食べようと狙っていたのです。
ヤギは割とこまめにポロポロと糞をします。
ヤギや我々人間にとってはただの糞なのですが、雑食の豚にとってはそれはエサとして認識されるようで、ヤギの尻を追い回してはその糞を食べているわけです。
まあ豚は本来雑食ですので、牛やヤギと同じように草ばかりを食べさせられていては他のものを食べたくなるというのもわからなくはありません。
かと言ってここには他に食べるものなどないわけですから、ヤギの糞を食べてしまうのも仕方ないといえば仕方ないのでしょう。
しかしちょっと考えると、
今食べてるその糞も元々は牧草だよ?
ということに気づきます。
豚にしてみれば食感と味が変わるだけで満足なのかもしれませんが、本質的に食べているものは同じということに気づかないほうが当人にとっては幸せなのでしょう。
もちろん飼育員が見ていればヤギの糞を食べに来た豚を即座に追い払い、豚が寄る隙も与えずに掃除してしまうのですが、その飼育員も牛の糞掃除にかかりっきりなので豚は食べ放題となっています。
牛は草を喰みながら排泄、ヤギは強奪や盗み食い、アルパカは小さき者の脚を噛み豚は糞を食べる。
まさに世紀末、カオスです。
ここにはもう一切の秩序など存在しませんでした。
そんな光景を見て私は、
と思うのでした。
大手町牧場潜入レポートまとめ
都心にある牧場ということで、どうせ申し訳程度と思って見学に行きましたが、意外と敷地も広く、想像していたよりは多くの動物を観ることができました。
しかしやはりこの規模では牧場としての経営は成り立ってはいないでしょうし、パソナによる広告塔の役割の域は出ていないでしょう。
普通に見学するだけでは、経済動物としての動物たちの内情を知るべくもありませんので、見学者の立場としては牧場というよりも、小規模の動物園として楽しむのがいいと思います。
こんなところで出荷だ屠殺だとか言ってたら浮きますからね。
都心にいながら大型動物である牛などを見学できる機会もそうそうないので、東京で生まれた我が子や、東京生まれ東京育ちの妻にはいい経験になったと思います。
もちろん私も間近でアルパカと接することができたりして貴重な体験でした。
都心を生活圏とされる方でこういった一風変わった牧場にご興味のある方は一度見学することをお勧めします。
なんだかんだ結構楽しめましたのでね。
予約が必要になりますが、ホームページからの申込みで見学可能です。
ではまた!
大手町牧場もいいですがマイルを貯めて本物の牧場に行ってみませんか?
わりと誰でもできるその方法はこちらから!
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